授業における学生の生成AI利用については、教員が、授業や課題ごとに方針を明示することが必要です(AIツールの授業における利用について(ver. 1.0) を参照)。このページでは、そのための典型的な選択肢を、AI利用場面の分類(S1〜S5)と、そのどこまでを認めるかを表す方針ラベル(T0〜T5)として用意しました。各授業・課題について、いずれかもしくは「その他」を選んで学生に示してください。
2026年度Aセメスターより、UTOLで課題を出す際に、このラベルを選択して学生に示せるようになりました。方針を学生に伝えること自体は、UTOL上で出すか否かを問わず、すべての課題で必要です。
方針の明示が何故必要か
- 方針が曖昧なままであると、AI利用について抑制的な学生(学習の目的に照らして自ら律している場合も、不正とされるのを恐れている場合もあります)とそうでない学生との間に、不公平が生ずる可能性があります。そのこと自体が学生に不安をもたらします
- 2026年度より行っている アンケート でも、AI利用方針が明示されないことが多いこと、そのために学生が上記のような不安を感じていることが明らかになっています
- ある課題の方針が抑制的であるか許容的であるかを問わず、それを 明確にすること が重要です。それが、学生が安心して学び、課題に取り組む環境を作る一助となります
- 方針を示したからといって不正利用がなくなるわけではなく、それを見つけられるようになるわけでもありません。しかし方針(ルール)がなければ、そもそもある利用が不正かどうかを決めることもできません。方針を定めることは、不正を問題にするための最低限の必要条件です
本学の基本的な考え方
- 学生が生成AIを利用するのが適切であるか否かは、個々の授業や課題の教育上の目標に照らして決められるべきものです。それは課題の達成目標、提出物の形式、受講学生(学年など)によって異なります
- したがって、個別の場面・課題ごとに教員が決め、明確に指示をすべきである、というのが本学の考え方です。柔軟性と、教員それぞれの考え方を反映できることを重視し、画一的な方針に固定することはしません
- 本ページや本機能は、どのような場面でAI利用を許可すべきか、すべきでないか、という方針そのものの問題には立ち入りません。学生に向けた基本方針は 東京大学の学生の皆さんへ:AIツールの授業における利用について(ver. 1.0) に示されており、学習の目的に立ち返った、責任ある利用への自覚を促すこととしています。その上で、個別の課題ごとの方針は明確に示す必要があります
方針の示し方
課題一つをとっても、全面禁止・全面許可ではない中間の方針が多くあり得ます。たとえば「躓いたときにAIに質問するのはよいが、AIの出力をそのままコピーするのは認めない」といった方針です。
そこで、教員が方針を示す負担を減らすため、また曖昧さやそれに基づく誤解を減らすために、いくつかの方針を選択肢として提示します。まず以下に S1〜S5 の典型的な利用場面を示し、その上で、それらのうちどこまでをOKとするか、という選択肢(T0〜T5)を設けます。
AI利用場面の分類
| 場面 | 名称 | 補足 |
|---|---|---|
| S1 | 質問・調査 | 質問をする、背景知識を調査する、など |
| S2 | 議論・壁打ち | AIと議論、壁打ち、テーマ相談をする |
| S3 | フィードバック | 解答/レポートに対するフィードバックを得る |
| S4 | 草稿 | 提出物の草稿を作成させその後それを元に提出物に仕上げる |
| S5 | 創造的利用 | 学習補助利用を越えた創造的利用(AIの出力の批判的吟味、AIを実験対象にする、など) |
- S1
- わからないところを質問する
- 課題のトピックについての一般的な知識について調査する
- OKとされうる場面の例: 基本的な練習問題、自習・予習的な課題、授業の本題以前の予備知識的な課題、学生にとって馴染みの薄いトピックに関する調査など
- S2
- AIと議論する、いわゆる壁打ち
- テーマを自分で設定する課題において、テーマ選びの相談をする
- OKとされうる場面の例: 自らの考えを書くエッセイにおける準備など
- S3
- 自分が作った解答やレポートに対するフィードバックを得る
- 解答そのものを作らせたり、添削結果をそのまま使うことはしない
- OKとされうる場面の例: 小論文など内容と共に形式も重視されるレポート、複数の解法がある演習問題など
- S4
- 提出物の草稿を書かせて、それを元に最終的な提出物に仕上げる
- OKとされうる場面の例: AIによるアシストを前提で、大部または高度な問題を解決することを目指す課題など
- S5
- 様々な利用形態・方法が考えられる
- AIの出力を吟味させる
- AI自身を実験対象にする(どのような入力に何を出力するかの探求など)
- OKとされうる場面の例: AIの活用や吟味それ自体を学ぶことが課題の目的に含まれる場合など
学生に示す方針ラベル
- Ti は、S1 〜 Si までをOKとする、という意味になります
- たとえば T3 は S1 〜 S3、すなわち質問・調査、議論・壁打ち、フィードバックを得るところまで、という意味になります
- T5 は、S4 までを認めた上で、さらにその他の利用(AIの活用や吟味それ自体を課題の目的に含める場合など)に選んでください
| 方針ラベル | 説明 | AIASによる分類 |
|---|---|---|
| T0 | AIは利用しない | No AI |
| T1 | 質問・調査 | AI Planning |
| T2 | T1 + 議論・壁打ち | AI Planning |
| T3 | T2 + フィードバック | AI Collaboration |
| T4 | T3 + 草稿 | Full AI |
| T5 | T4 + 創造的利用 | AI Exploration |
| その他 |
- これらに当てはまらない場合は「その他」を選び、方針を記述してください
- 例: 累積型でない方針(S1 と S3 は認めるが S2 は認めない、など)
- ラベルを示す際に、なぜその方針を採るのかを一言添えると、学生の理解と納得が得られやすくなります